ツマグロヒョウモンが羽化する日

成虫

ツマグロヒョウモンが羽化するには何日かかるでしょう?

ツマグロヒョウモンの幼虫を飼育しようとしたとき、いつになったら羽化するの?日数は?と疑問にわきますね。

ここでは、

  • ツマグロヒョウモンは産卵から羽化まで何日?
  • ツマグロヒョウモンの幼虫から前蛹までの日々
  • さなぎのツマグロヒョウモン
  • ツマグロヒョウモンが羽化する日(&まとめ)

をまとめました。

本や図鑑、そして、私の観察結果を含めてお伝えします。

ツグロヒョウモンを飼育しようと考えている方はぜひ読んでくださいね。

ツマグロヒョウモンは産卵から羽化まで何日?

ツマグロヒョウモンは、

幼虫さなぎ成虫

の順番で成長します。

これを「完全変態」と呼びます。

ツマグロヒョウモンが卵から成虫になるまでの日数は季節によって異なります。

ツマグロヒョウモンの卵(今村光彦「今村光彦 昆虫記」福音館書店 1988年7月15日 141ページ)

4月から9月までの温かい時期で、1か月から1か月強です。

一般的に見られるのはこの時期です。

10月では約55日、11月初旬で140~196日と言われています(伊藤嘉昭 「琉球の蝶」 東海大学出版会 2009年12月5日 13ページ)。

ツマグロヒョウモンはヒョウモンチョウの1種です。

ツマグロヒョウモンとアサヒヒョウモン以外の日本産のヒョウモンチョウは1年1世代ですが、なんとツマグロヒョウモンは1年に4~5世代と言われています。

つまり、1年に4~5回も「卵→幼虫→さなぎ→成虫」という成長を繰り返します。

(アサヒヒョウモンは2年1世代です。)

ツマグロヒョウモンの幼虫から前蛹までの日々

ツマグロヒョウモンを飼育されるのは、温かい時期(4月から7月、9月あたり)と予想されます。

ここでは、温かい時期でのおおよその日数を書きます。

先ほどの成長の順番を詳しく書いてみました。

1齢幼虫→2齢幼虫→3齢幼虫…→終齢幼虫→前蛹→さなぎ成虫

卵から1齢幼虫になることを「孵化(ふか)」と呼びます。

卵が孵化するまで、4~7日です。

1齢幼虫から2齢幼虫、3齢幼虫と脱皮を繰り返しながら、終齢幼虫まで成長します。

「あれ、幼虫が全然動かない!!」と心配することがあります。

脱皮するための準備をしている可能性があります。

しばらくして待ってくださいね。

ツマグロヒョウモンの終齢幼虫、2日後にさなぎになりました。

終齢幼虫になったら、大量の餌を食べ、さなぎになる準備をします。

準備が整ったら、さなぎになる場所を探します。

さなぎになる場所は、葉や茎、虫かごの蓋、割りばしの先などです。

さなぎになる場所が見つかったら、その場所でしばらく動かなくなります。

数時間から1日程度で、糸で足場を作り、お尻の先を引っかけてぶら下がります。

これを「前蛹」といいます。

ツマグロヒョウモンの前蛹

さなぎのツマグロヒョウモン

前蛹になった数時間後~1日後に、さなぎ(蛹/サナギ)になります。

前蛹からさなぎになる時間は、約3分間です(私の観察結果より)。

黒とオレンジ色の幼虫とは全く異なり、全体が茶色で、金色や銀色、虹色にも見えるきれいな粒々が付いています。

背中に小さな突起のようなものがあり、その突起と茎や虫かごがくっついています。

さなぎって動かないと思っていませんか?

手で触れたり、他の幼虫が邪魔をしたりすると、激しく動きます。

さなぎの期間は6日から15日です。

温かいほど、さなぎの期間が短くなる傾向があります。

【さなぎが落ちてしまったときの対処法】

まれに、ぶらさがっていたさなぎが落ちてしますことがあります。

そんな時は、木工用ボンドと割りばしを使います。

  1. さなぎの先端(本来、茎などにくっついていた箇所)に、ほんの少しだけ木工用ボンドを付けます。
  2. 割りばしの真ん中あたりに、やさしくくっつけます。さなぎがブルブルしますので、無理をせず。
  3. しばらくそのまま。
  4. そおーっと持ち上げてくっついているのを確認したら、本来のさなぎの姿のように、ぶら下げてあげましょう。
  5. 下の写真のように、割りばしを箱に渡してあげると完成です。私はこの方法で10匹以上羽化に成功しました。
無事に羽化しました!

ツマグロヒョウモンが羽化する日(&まとめ)

卵から孵化して、幼虫、さなぎの期間を経て、ようやく羽化をして成虫になります。

今回、ツマグロヒョウモンが羽化する瞬間を動画に収めることに成功しました!!

動画撮影者の私は興奮気味で、画面が揺れていますがご容赦ください!

羽化したメスのツマグロヒョウモン

羽化する時間は約1分間。

私は今まで100匹以上の成長をみてきましたが、羽化する瞬間に最初から携わったのはこの1回のみです。

(羽化した!!と思っても、蝶が蛹から出てしまっていることが何度もあります。)

ぜひこの貴重な体験を、皆さんも味わってくださいね。

そして、この記事に書いてある成長段階や日数を答え合わせしながら観察するのも楽しいですよ。

(参考資料)

伊藤嘉昭 「琉球の蝶」東海大学出版会 2009年12月5日 

今村光彦「今村光彦 昆虫記」福音館書店 1988年7月15日 

「原色ワイド図鑑 昆虫Ⅰ」学研 2016年3月

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