ツマグロヒョウモンの蛹(さなぎ)が落ちたら焦りますよね。
ツマグロヒョウモンは、蛹の期間に正しくぶら下がっていなかったり、落ちた状態のまま放置してしまうと、羽化しない場合があります。
蛹が落ちても、ぶら下げる対処法を学んで、元気に飛ぶまで見守っていたいですね。
今回はツマグロヒョウモンの蛹について
- ツマグロヒョウモンの蛹の期間は?黒いけど大丈夫?
- ツマグロヒョウモンの蛹が落ちたらどうなる?
- 蛹が落ちた時の対処法
- 羽化が失敗してしまったら
- まとめ
をまとめました。
ツマグロヒョウモンが羽化して元気に飛び立つために、蛹が落ちた時の対処法を書いていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ツマグロヒョウモンの蛹の期間は?黒いけど大丈夫?
ツマグロヒョウモンの蛹の期間
ツマグロヒョウモンの蛹の期間は、季節によって異なります。
一般的によく見られる夏の間は、7~11日間程度です。
秋になると、11~25日間です。
冬になると、寒さの影響で、21~58日間のように長くなります
春になると、2週間程度に短くなります。
蛹が黒いけど大丈夫?
ツマグロヒョウモンの蛹が急に黒くなったけど、大丈夫?
ツマグロヒョウモンの蛹は羽化する直前、黒っぽくなりますので、問題ありません。
ただ、蛹を触っても全く動かないならば要注意です。
ツマグロヒョウモンの蛹は茶色ですが、羽化する直前には黒くなります。
夏では、羽化する1日前から翅の模様がくっきり出てきます。
メタリックな突起も、輝きを失った色になります。
私の経験では、最初から真っ黒の蛹になることがあります。
気温・環境の影響がないにもかかわらず黒い蛹になりました。
とても心配しましたが、無事に羽化することができました!
ただ、触っても全く動かない状態になることがあります。
その場合、羽化できずそのまま死んでしまうこともあります。
ツマグロヒョウモンの蛹が落ちたらどうなる?
ツマグロヒョウモンの蛹が落ちてしまった場合、正常に羽化できない場合があります。
左右対称の蛹になれず、翅が正常に伸びない・飛ぶことができない状態になることも。
次の項に書いています、「さなぎが落ちた場合の対処法」を参照してください。
そして、垂蛹(ぶら下がり蛹)の形態にしてくださいね。
ただし、同じタテハチョウ科で、ぶら下げなくても正常に羽化した例があります!
羽化したとき、虫かごを覆っていたティッシュにぶら下がり、翅を伸ばすことができました。
蛹が落ちた時の対処法
木工用ボンドと割りばし1本を使います。
※1.2.3は、さなぎを寝かせた状態で行ってください。
- さなぎの先端(本来、茎などにくっついていた箇所)に、ほんの少しだけ木工用ボンドを付けます。先端にちょっとだけで構いません!たくさん付け過ぎないことがポイントです。
- さなぎをやさしく持って(押さえて)、さなぎの先端を、割りばしの真ん中あたりにやさしくくっつけます。このとき、さなぎがブルブル激しく動きますので、びっくりして落とさないように。
- 15分間程度おく。
- そーっと持ち上げてくっついているのを確認したら、本来のさなぎの姿のように、ぶら下げてあげましょう。
- 下の写真のように、割りばしを箱に渡してあげると完成です。
*羽化したときに翅をのばせるくらいの入れ物に入れてください。
私はこの方法で15匹以上羽化に成功しました。
羽化が失敗してしまったら
羽化失敗例1
バランスの良くないツマグロヒョウモンが生まれたことがあります。
そのツマグロヒョウモンの蛹は何度も落ちて、その度に割りばしにボンドでくっつけていました。
おそらく、ボンドを付け過ぎたのが原因と考えられます。
翅の大きさが片方だけ小さく、左の触覚は短い状態で生まれました。
しかし、このツマグロヒョウモンも、羽化した翌日に自力で飛んでいきました。
ツマグロヒョウモンは、飛びたい気持ちが強いです。
決してあきらめないでくださいね。
このツマグロヒョウモンについては、ツマグロヒョウモンは卵をどこに産む? | ツマグロヒョウモン.NET (tsumagurohyomon.net)の「私の長文飼育日記」に載せています。
羽化失敗例2
うまく飛べないチョウが生まれても、元気です。
スポーツドリンクや砂糖水で飼うこともできます。
何十日間も生きたという報告もありますので、ぜひ飼育されることをお勧めします。
下の動画は、オスのツマグロヒョウモン。
なぜか虫かごの壁に張り付いた状態で蛹になってしまいました。
本来、蛹の上の方だけが壁にくっつくはずなのに、蛹全体が壁に張り付いていました。
蛹になり始めから終始、真っ黒でしたので、羽化ができないと思っていました。
しかし、無事に羽化することができました。
片方の翅が折れ曲がり、足の長さが異なり、体がへこんでいます。
しかし、とても元気!
砂糖水をしみこませたティッシュの上に乗せると、ストローの口をのばして吸い始めました。
このツマグロヒョウモンは、飛びたい気持ちが強く、日中は翅をバタバタさせていました。
しかし、飛ぶことはできませんでした。
しばらく飼っていましたが、外の世界を見せてあげたいという子供の優しい気持ちを尊重して、お花畑に放してあげました。
まとめ
以上、ツマグロヒョウモンの蛹の期間や蛹が落ちた時の対処法をお伝えしました。
この対処法で、羽化を成功させることができます。
たまたま、蛹になった時のアクシデントで羽化が失敗することもあります。
でも、小さくても大事な命。
ツマグロヒョウモンを通して、親子で貴重な命の勉強ができますよ。
(参考資料)
福田晴男 かとうけいこ「チョウのそだち方」 国土社 2020年
伊藤嘉昭「琉球の蝶」東海大学出版会 2009年12月5日