「ツマグロヒョウモンの成虫の寿命や一生を知りたい」と興味を持つ方は多いです。
ツマグロヒョウモンの寿命や成長過程を詳しく知ることで、さらに幼虫や成虫の飼育が楽しくなります。
実は、季節によって卵や幼虫の成長に影響が出るんです。
今回は
- ツマグロヒョウモンの一生
- 季節によってツマグロヒョウモンの成長期間が異なる
- ツマグロヒョウモンの成虫の寿命
- まとめ
について、解説しています。
これを読むと、ツマグロヒョウモンの一生や寿命が分かりますので、ぜひ参考にしてください。
ツマグロヒョウモンの一生
ツマグロヒョウモンとは、チョウ目タテハチョウ科タテハチョウ亜科の蝶です。
そして、タテハチョウ亜科のヒョウモンチョウ類というグループに属します。
ツマグロヒョウモンの一生は、
卵→幼虫→さなぎ(蛹)→成虫
の順番で成長していきます。
この成長過程を「完全変態」と呼びます。
現在、小学生2~4年生で習う内容です。
蝶だけでなく、アリ、ハエ、ハチ、カブトムシ、クワガタムシなどが完全変態の生き物です。
さなぎの前後の幼虫と成虫の形態が全く異なることが特徴です。
さらに、詳しくお伝えすると、
卵→1齢幼虫→2齢幼虫→3齢幼虫→・・・→終齢幼虫→前蛹→さなぎ(蛹)→成虫
という成長過程をふみます。
卵が孵化して、幼虫になります。
幼虫は4回以上※皮を脱ぎ、終齢幼虫になります。
終齢幼虫になったツマグロヒョウモンは、せっせと餌を食べ続け、大きく育ちます。
そして、さなぎになる場所を探し回り、気に入った場所を見つけたら、ぶら下がります。
これが前蛹です。
前蛹は、空を飛ぶ虫へと体を作りかえる大切な準備期間です。
翌日には、さなぎになり、暖かい時期では7日間~2週間後に羽化して成虫になります。
詳しくは、「ツマグロヒョウモンが羽化する日」を参照してください。
※ツマグロヒョウモンの幼虫の脱皮の回数は4回または5回と言われています。
参照:ツマグロヒョウモンArgyreus hyperbius LINNEの幼虫について(第II報) (jst.go.jp)
他のヒョウモンチョウ類やアゲハの脱皮回数は4回です。
季節によってツマグロヒョウモンの成長期間が異なる
ツマグロヒョウモンは、卵から羽化まで成長過程を、1年に4~5世代繰り返すことが可能です。
夏眠も冬季の休眠もせず、成長し続けています。
しかし、季節によって、ツマグロヒョウモンの成長期間が異なります。
夏では、約30日間で羽化し成虫になります。
これに対し、10月は55日、11月では140~196日という報告があります。
また、冬は卵や幼虫、さなぎで越冬するため、成虫になるまでに長い時間がかかります。
【私の観察結果】
さなぎから羽化までの期間を比べると、5月の初旬では13日かかったのに対し、8月では7~8日でした。
この結果からも、暖かい時期では、成長期間が早まるのではないかと考えています。
ツマグロヒョウモンの成虫の寿命
人工飼育
ツマグロヒョウモンの成虫の寿命は、おおよそ2週間程度です。
人工飼育で、40日以上生きたという報告もあります。
しかし、成虫の寿命は気温や餌の有無・量などの環境要因によっても変化します。
ツマグロヒョウモンのオスとメスとの違い
ツマグロヒョウモンのオスとメスとの寿命の違いがあるかは、明確に分かりません。
しかし、自然界では、チョウは鳥に捕食されます。
一般的に、メスの方がオスより鳥に捕食されます。
メスは胴部に卵がつまってカロリー量が高いため、鳥にとって価値のある餌と言えるからです。
ツマグロヒョウモンの場合はどうでしょう。
ツマグロヒョウモンのメスは、オスよりゆっくり飛びます。
また、メスの方が鳥の捕食痕のある個体が高く、メスの方が鳥に食われていることが分かります。
我が家の中で飼育したツマグロヒョウモンの最後の1ぴきが今朝、羽化しました。メス。今年は、オール雌でした。スミレを送ってくださったみなさんに、感謝!
— 柳美里 (@yu_miri_0622) August 26, 2018
(夏休み帰省の息子18歳が映っています)
さようなら!
オスを見つけて、里帰り出産してね!
スミレ、いっぱいあるからね!
さようなら…… pic.twitter.com/Vvsy4voAqX
羽化して飛び立ったツマグロヒョウモンが、できるだけ長く生きてくれることを願います。
まとめ
以上、ツマグロヒョウモンの一生や寿命についてまとめてみました。
季節によっても成長期間が異なることをお伝えしました。
驚いたことに、他のヒョウモンチョウ類は、1種類を除き、1年に1世代です。
ツマグロヒョウモンは、1年に何度も成長して、私たちを楽しませてくれます。
この記事を書いているのは9月。
もう少し涼しくなった10月頃、ツマグロヒョウモンの成虫が私たちの前に姿を現してくれますよ。
(参考資料)
伊藤嘉昭「琉球の蝶」東海大学出版会 2009年12月5日