ツマグロヒョウモンの卵の大きさや何個産むのか、飼育する上でまずチェックしますよね。
卵の大きさやツマグロヒョウモンが何個産卵するかを知るには、どこに産むのかを知っておくことから始まります。
今回は、ツマグロヒョウモンの卵の大きさや産卵数について
- ツマグロヒョウモンの卵の大きさは?
- ツマグロヒョウモンは卵を何個産む?
- ツマグロヒョウモンは卵をどこに産む?
- ツマグロヒョウモンの卵は何日で孵化する?
- ツマグロヒョウモンが産卵する瞬間を激写!
- まとめ
を書きました。
ツマグロヒョウモンの飼育や自由研究をする上で、卵は重要ですよね!
今回は、私の経験や本だけでなく科学的論文も参考にしていますので、ぜひ読んでいただきたいです!
ツマグロヒョウモンの卵の大きさは?
実際に、ツマグロヒョウモンの卵の写真を見てみましょう。
乳白色のとても小さな卵です。
次に、産卵直後と産卵4日目を比較してみます。
産卵直後と産卵4日目を比較しましたが、大きさはほとんど変わりません。
色は、乳白色から黄白色に変化しています。
卵の直径は1mm程度と見受けられます。
孵化直前には、黒っぽく変化します。これは、幼虫の頭の色なんです。
孵化した後は、透明な殻が残ります。
実際に数日後、葉の裏を観察すると、空になった透明な卵の殻がありました。
卵から孵化した後、ツマグロヒョウモンの幼虫は卵の殻を食べることはありません。
ツマグロヒョウモンは卵を何個産む?
ツマグロヒョウモンは、1度に1個ずつ産み、飛んでまた1個産むことを繰り返します。
お気に入りのスミレ科の植物を見つけると、しばらく周辺を飛び回って産みます。
1匹のツマグロヒョウモンのメスが産む卵の数を調べてみました。
2匹のメスを飼育し、メスの産卵数について調べたところ、1匹は568個、もう一匹は581個産んだ。
(安田雄飛(2011) ツマグロヒョウモンの生態 日本鱗翅学会「やどりが」 230 号 p. 19-21を参照)
飼育箱内に交尾させた2メスを入れが場合、産卵数は3日間で335卵だった。
(伊藤嘉昭(2001)名古屋市周辺で普通種となったツマグロヒョウモンの生態 日本昆虫学会 4 巻 3 号 p. 77より引用)
以上のような報告があります。
いずれも、飼育箱の中での生活なので、エネルギー消費量が少ないことが考えられます。
自然状態では、飼育箱よりも少ない数の卵を産むと考えられます。
下のように、書かれている本もあります。
チョウは、1匹のメスが100個以上の卵を産む
(福田晴男 かとうけいこ 「チョウのそだち方」国土社 2020年5月 P49より引用)
ツマグロヒョウモンは卵をどこに産む?
ツマグロヒョウモンは、食草であるスミレ科の植物に卵を1個ずつ産み付けます。
スミレ科の植物とは、野生のスミレや園芸用のパンジーやビオラなどです。
産卵場所は、葉の裏や付け根、茎の隙間、地表近くの植物部分です。
天敵から守るために、外部から見えにくい場所を選んでいるんですね。
ツマグロヒョウモンのメスがスミレ科の植物の周りを飛んでいたら、よく観察してみてください。
スミレ科の植物に卵が見つかるかもしれませんよ。
ツマグロヒョウモンの卵は孵化した後、その植物を食べて成長します。
ゲージの中で産卵させた場合、食草だけでなく食草外にも産卵します。
【私の観察による気付き:パンダスミレには産んでくれない!?】
我が家は、ビオラとパンジー、パンダスミレを植えています。
ツマグロヒョウモンのメスは、ビオラやパンジーに卵をたくさん産んでくれます。
でも、どういうわけか、パンダスミレには産んでくれたことがありません。
正確に言うと、1匹だけ幼虫を見たことがありますが、産んでいる姿は見たことがありません。
パンダスミレは、食草として最適ですが、産卵場所には不適のようです。
ビオラやパンジーの方をやわらかいので、若齢幼虫が食べやすいからかな?と推測しています。
ツマグロヒョウモンの卵は何日で孵化する?
孵化する時期は、季節によって異なります。
気温が高いと孵化までの期間が短くなる傾向があります。
夏であれば、4日~6日程度。
春や秋は5~7日程度。
冬でも孵化することがありますが、孵化する期間は2週間~1か月以上と長くなります。
ツマグロヒョウモンが産卵する瞬間を激写!
ビオラが満開な5月初旬。
ツマグロヒョウモンのメスが卵を産みに来てくれました。
お尻を曲げて1個ずつ卵を産んでいます。
産んだ後も、ビオラの周辺にいて、再び産卵します。
人間がいてもお構いなしです!
まとめ
今回は、ツマグロヒョウモンの卵の大きさや産卵数、産卵の場所などをお伝えしました。
ツマグロヒョウモンのメスは、満開のビオラやパンジーを見ると産卵してくれます。
ツマグロヒョウモンを卵や若齢幼虫から飼育したい方!
ビオラやパンジーを冬の間に買っておくことをお勧めします。
観察していると、いろんな気付きがあります。
面白いのは大人の気付きと子供の気付きが違うこと。
親子で一緒に飼育していると、自然と昆虫博士になってしまいますよ。
(参考資料)
柴田洋昭 今福道夫(2010)ヒョウモンチョウ2種(タテハチョウ科,ヒョウモンチョウ亜科)による食草外産卵と卵被食との関係 蝶と蛾 60 巻 4 号 p. 268-276
伊藤嘉昭(2001)名古屋市周辺で普通種となったツマグロヒョウモンの生態 日本昆虫学会 4 巻 3 号 p. 73-89
安田雄飛(2011) ツマグロヒョウモンの生態 日本鱗翅学会「やどりが」 230 号 p. 19-21
福田晴男 かとうけいこ 「チョウのそだち方」国土社 2020年5月