ツマグロヒョウモンは、蝶(チョウ)なのか、蛾(ガ)なのか、分かりにくいですよね。
そして、ツマグロヒョウモンに似てる蝶がたくさんいます。
ミドリヒョウモン、キタテハ、ヒメアカタテハなど、一見すると違いが分かりません。
それぞれの特徴を知ると、蝶を見分けることができます。
今回は、
- ツマグロヒョウモンは蝶なのか?蛾なのか?
- 似てる蝶(ミドリヒョウモン、キタテハ、ヒメアカタテハ)との違いは?
- まとめ
を書いてみました。
ツマグロヒョウモンが蝶なのか、蛾なのか知りたい方はぜひ読んでくださいね。
そして、たまたま見つけた蝶がツマグロヒョウモンか知りたい方、必見です!
ツマグロヒョウモンは蝶なのか?蛾なのか?
蝶と蛾は、チョウ目(鱗翅目)と呼ばれる昆虫のグループに属しています。
チョウ目は世界に約17万種いると言われています。
そのうち、蝶は約1万7600種。
つまり、蝶より蛾の方が圧倒的に多いんです!
そして、日本には、約250種の蝶がいます。
蝶の特徴、蛾との違い
下記の3つの上科に含まれるチョウ目を、蝶とよびます。
- アゲハチョウ上科
- セセリチョウ上科
- シャクガモドキ上科(日本にいない)
それ以外を全部まとめて蛾と呼び、両者に明確な区別はありません。
次に、蝶の特徴に注目して、蛾との違いにまとめました。
その他、
- 蝶は体が細く、蛾は体が太い。
- 蝶ははねを閉じて止まり、蛾ははねを広げて止まる。
という違いもあります。
いずれも例外があり決定的なものではありません。
ツマグロヒョウモンは蝶?蛾?
ツマグロヒョウモンは、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科タテハチョウ亜科に属しています。
タテハチョウ科は、アゲハチョウ上科に含まれます。
つまり、ツマグロヒョウモンは蝶の仲間です。
ツマグロヒョウモンの特徴
メスは、前ばねの先が黒っぽく、また、白い帯が目立ちます。
オスは、はねの表側がヒョウ柄です。
画像の白矢印(→)が指しているのは、オスの性標です。
ツマグロヒョウモンのオスは、性標が細いのが特徴です。
ツマグロヒョウモンは冬眠をしないので、1年中見られます。
しかし、私たちがよく観察できるのは春から秋にかけてです。
ツマグロヒョウモンの特徴については、下のブログも参照してください。
似てる蝶(ミドリヒョウモン、キタテハ、ヒメアカタテハ)との違いは?
ツマグロヒョウモンが属しているタテハチョウ科タテハチョウ亜科の蝶は、とてもよく似ています。
一見、ツマグロヒョウモンに見えても、違う蝶であることもしばしば。
それぞれ特徴があるので、しっかり見極めましょう!
ここでは、ミドリヒョウモン、キタテハ、ヒメアカタテハについて、見分ける特徴をまとめました。
ミドリヒョウモン
後ろばねの裏側が緑色を帯びているのが名前の由来です。
メスの方が緑色が強くなります。
緑の地に縦に3本の銀白色の帯があります。
表面のはねが、オスは橙褐色、メスは黄褐色~黒褐色です。
ツマグロヒョウモンのオスとミドリヒョウモンのオスはよく似ていますね。
違いは、後ろばねの裏側が緑色であること以外に、4本の太い性標があります。
ミドリヒョウモンは、6~7月に羽化し、低山地では夏眠し、9月頃に再び活動を開始します。
山地では夏眠をせず、花の蜜を吸って活動しています。
キタテハ
黄色いタテハチョウということから名づけられたキタテハ。
季節型を示します。
夏型は黄色っぽく、外側のはねがあまり尖っていません。
秋型は色がはっきりして、はねが尖っています。
後ろばねの裏側の中央部分に「L」という白い文字が見えるのが特徴です。
キタテハは、オスよりメスの方が大きいです。
主に、6~10月に出現します。
ヒメアカタテハ
アカタテハよりやや小型で、明るいオレンジ色がはね全体に広がっています。
「ヒメ」というのは小さなという意味です。
メスははねに少し丸みがありますが、色彩や斑紋はオスとほとんど同じです。
秋になると数が増え、よく見かけるようになります。
関東では5~6月に出現します。
日本全国で見られますが、寒いところでは越冬できず、死んでしまうことも。
ツマグロヒョウモンのメスによく似ています。
ツマグロヒョウモンの方が、後ろはねの先が全体的に黒っぽいのが特徴です。
まとめ
ここでは、ツマグロヒョウモンは蝶なのか、蛾なのかを詳しく検証しました。
また、似ているタテハチョウ亜科の蝶との違い、見分け方を写真を用いて説明しました。
よく観察すると違いがはっきりしますね。
今は3月。ツマグロヒョウモンが活発に活動する時期です。
楽しみですね!!
このブログが、見分け方の参考になると嬉しいです。
(参考資料)
松本克臣「チョウ・ガ」ヤマケイポケットガイド⑨ 山と渓谷社 1999年4月20日
「昆虫Ⅰ」原色ワイド図鑑 学研 2002年11月30日
福田晴男 かとうけいこ「日本のチョウ大図鑑②タテハチョウ・セセリチョウ」 国土社 2021年2月10日